【№8】時間は最も希少な資源 時間をマネジメントできなければなにもマネジメントできない[株式会社クラウダー社長コラム]

株式会社クラウダー

「時間は最も希少な資源

時間をマネジメントできなければ

なにもマネジメントできない」


クラウダー立石です。

WBC2023、最高に盛り上がっていましたね。

決勝戦の最中、私は移動中だったのですが、飛行機の搭乗口付近のTV前に人が押し寄せており、日本がピンチを凌ぐと歓声と共に拍手喝采。

さらにはすでに離陸したフライト中でも機長から日本優勝の臨時アナウンスが機内に流れ、上空で拍手喝采やハイタッチが交わされるという、先々で巻き起こる一体感が非常に心地良かったです。

さて、メジャーリーグと呼ばれるMLBと日本のプロ野球NPBに関してです。

年俸は約8倍の差が開き今や有力選手は渡米を視野にいれることが当たり前となり、日本のプロ野球はMLBの育成リーグだと一部から揶揄されています。

「日本の失われた30年」と表現されることもありますが、1994年にMLBで選手会ストライキが勃発した時代で比較すると、当時NPBは1球団あたりの年商約100億円。

MLBは1球団あたりの年商約70億円となり、26球団と数が多いことからリーグ全体の収益としてはMLBでしたが、球団単位の平均で見るとNPBが上回っていた時代となります。

そのため、MLBの主力選手がNPBに移籍することも珍しくありませんでした。

逆に当時MLBで活躍していた日本人といえば、トルネード投法で文字通り旋風を巻き起こした野茂英雄投手が挙げられますね。

2023年現在、なぜここまで収益格差がついてしまったのか?

選手個々のレベルに差がついていないことは先日証明されました。

要因は色々とありますが一つ一つ簡単に紐解いてみましょう。

NPBの歴史は資本力のある親会社が子会社として球団を運営することがスタンダードでした。

要は子会社が赤字でも親会社が補填する文化が通例となり、さらに球団運営による赤字は「広告費」として損金計上されることが許容され、野球に詳しくない親会社の人員が子会社へ天下りして経営を任されていることも多くありました。

このシステムはサッカーやバスケットボールなどのその他リーグには適用されていない優遇されたシステムとなり、国民的スポーツとして今も国内最大スポーツリーグとしてNPBが君臨している所以の一つともいえるかと思います。

2000年3月に連結会計システムが導入され子会社の赤字も連結されることとなりようやく球団としての赤字改善への重い腰が上がり、ダイエーホークスがソフトバンクホークスへと変わり楽天イーグルスの新規参入などNPBリーグにもIT企業の血が入ってきます。

一方、MLBはマーケティング戦略が明確でした。

NPBでは全国放送が巨人戦のみの時代が長く続いた弊害が少なくありませんでしたが、MLBは各ローカルの放送権とは別に全国放送権をリーグが管理し、確かに人気球団の放送回数は多めですが全球団がスポットライトを浴びる機会を確保。

ホームとなる都市の自治体へ球場リニューアルの補助金を要請、断る場合は別都市への移転を検討、さらに観客動員数が一定の数字に満たなければ補填の要請もしています。

ただし地元球団として地域貢献活動等の取り組みもリーグ全体が強く促進しており、球団と市民が一丸となって地域を盛り上げています。

さらに各球団は筆頭オーナーこそいますが複数のオーナーによる所有、国内のみならず海外へ向けた配信を充実させ、プロモーションを強化させありとあらゆるデータ分析も進み、より観客を惹きつけるコンテンツをリーグコミッショナーが推し進めています。

このマーケティング手法は米国バスケットボールリーグのNBAなども酷似しており、MLB同様に90年代後半から収益が飛躍的に伸びています。

特に前リーグコミッショナーであるデイビッドスターン氏から、現リーグコミッショナーであるアダムシルバー氏に変わってから、より多角的なコンテンツで運営されている印象が強いです。

両リーグ共通していえるのは世界各国から名だたるプレイヤーを招聘し、多様性が求められる時代に適したチーム編成となっており、相乗効果で様々な国から視聴されるコンテンツへと昇華している点も挙げられます。

米国4大スポーツと呼ばれるリーグの放送権を獲得しているESPNも業績好調、オンデマンド配信全盛の昨今に於いてリアルタイムで楽しむことに付加価値が付きやすいスポーツ中継はCM料も高騰しています。

さらに日本国内では非合法である「スポーツベッティング」も全世界で300兆円以上といわれる巨大な市場です。

この波はもう止めることは不可能なので参入すべきという論調もあり、日本では非合法ですが海外から日本のスポーツリーグはベッティングの対象となっていることから、確かに大きく収益を伸ばすチャンスであり、八百長防止のシステムを取り入れずに野球賭博だと騒ぐのは、お役所仕事のように感じてしまう部分もあります。

もはやブックメーカーなどは様々なスポーツチームのスポンサーとなる時代です。

色々と言及しましたが個人的には国内の優秀な選手が、海外で活躍する機会が増えるのはとても良いことだと思っています。

ただし野球に限らずどのスポーツでもプロとして世界と戦えるアスリートを育成するためには、まずは国内リーグの収益拡大が優先であり、そのためにはリーグ全体をマネジメントするコミッショナーの存在と、自治体や企業の介入が必要不可欠であると感じます。

これらはスポーツに限らずUFCやWWEなどの総合格闘技やプロレスでも同様であり、さらにいえば様々な業界や企業にも当て嵌まる部分が大部分です。

日本国内企業と世界各国の企業がこの30年で開いた差は下記の図に表れています。

引用:STARTUP DBより

冒頭で抜粋したのは「マネジメントの父」と呼ばれるドラッカー氏の言葉になります。

残念ながら現在は人類皆平等ではありませんが、時間という財産は唯一人類皆平等であると思います。

WBCで個々の能力及びチーム力を証明してくれた侍JAPANに日本中が沸いた3月。

チームとして全員が楽しそうにプレーしていた光景が記憶に新しいですが、選手の中で最年長であるダルビッシュ投手が特に若手選手に対して積極的にコミュニケーションをとっていたのが強く印象に残っています。

見ていて応援したくなるチームの雰囲気作りに関しては彼が大きく貢献していたように思えてなりません。

楽しみながらプレッシャーを克服して成長出来る環境が、結果として最大限のパフォーマンスを発揮して、新たなビジネスチャンスを生み出してくれると感じることが多々あります。

人間の臓器の中で使えば使うほどプラスになるのは脳だけです。凝り固まった考えを捨てて色々なチャレンジを続けていける、そんな環境を会社として作っていきたいと切に願います。

多くのお客様や従業員の貴重な時間をいただいているからこそ、それ以上の価値を提供出来るよう邁進して参ります。


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